夏祭りの係
七月の土曜日の夜、公民館に十人が集まりました。 来月の夏祭りの準備の会です。
「今年も係を決めましょう」と会長の田中さんが言いました。 「まず、模擬店の係です」
模擬店では、焼きそばとかき氷を売ります。 去年は三人でした。 でも、去年は人が少なくて、とても大変でした。
「私、模擬店を手伝いたいです」とゆきさんが言いました。 「子供が小さいので、遠くへは行けませんが、模擬店なら近いですから」
「ありがとうございます。じゃあ、ゆきさんは模擬店の係ですね」と田中さんが言いました。 「次は、ごみの係です。これは私がします。一番大変な係ですから」
みんなが「お願いします」と言いました。
「最後に、神社の門の飾りです。門は高い所ですから、若い人にお願いしたいです」と田中さんが言いました。
公民館が静かになりました。 みんなが下を向きます。
「あの……うちの主人が行きます」とゆきさんが小さい声で言いました。
田中さんは紙に「門・ゆきさんのご主人」と書いて、笑いました。
