お皿のほうが好きです
ひろみ:先生、また形が崩れてしまいました。
先生:大丈夫ですよ。粘土は何回でもやり直せますから。
ひろみ:でも、隣の人はもうお茶碗が作れるんです。
先生:ひろみさん、手に力が入りすぎです。もう少し軽く触ったら、きれいに回りますよ。
ひろみ:軽く……こうですか。
先生:もっと軽く。卵を持つように。
ひろみ:卵……あっ、粘土が逃げていきます。
先生:追いかけないでください。粘土は逃げませんから。
ひろみ:はい。……あ、丸くなってきました。
先生:ね、できるでしょう。ろくろが回っているときは、指を動かさないことです。
ひろみ:先生が教えてくださったから、できました。
先生:じゃあ、次のやり方を紹介しますね。ここに指で穴を開けて、少しずつ深くしていきます。
ひろみ:えっ、この形のままじゃだめですか。
先生:それだと、お皿になってしまいますよ。今日は湯のみを作る日です。
ひろみ:……先生、私、お皿のほうが好きになりました。
先生:お皿の日は来週です。今日は湯のみをがんばりましょう。
