おばあさんの編み針
午後、桃子はおばあさんの花の家に来ました。 机の上に、毛糸と古い編み針がありました。
「その針、私のお母さんの物だったの」と花が言いました。 「六十年前の物よ」
桃子は針を持ってみました。 細くて、少し重かったです。 「難しそう」
「最初は誰でも難しいよ」と花は言って、桃子の手に手を重ねました。
一回目、毛糸が指から落ちました。 二回目も落ちました。 三回目、やっと一つ編めました。
「もうやめる」と桃子が言いました。
「そう。じゃあ、あと五分だけ」と花が言いました。
五分の間に、桃子は五つ編みました。
一時間後、小さい四角ができました。
「上手ね」と花が言いました。 花はほっとした顔でした。 「この針、長い間、引き出しの中にあったから」
桃子は四角を手に持って、笑いました。 「来週も教えて」
「うん」と花が言いました。
